ON THE BBS
ピンク・フロイドで有名なバッターシー発電所は、ブリティッシュ・ロックの象徴だ。
ロンドン日記2 yamaken 6月13日(金)09時04分43秒
6月12日、木曜日。ぼくらが泊っているのは、KENSINGTON CLOSEというホテルだ。ケンジントンの行き止まりにあるホテル、という意味だ。朝8時に起きて、ホテルのレストランで食事をすませ、ハイドパークへ。1969年にローリング・ストーンズがブライアン・ジョーンズの追悼コンサートをやった公園であり、キング・クリムゾンが突如オーバーグラウンドに浮上した場所であり、クラッシュのジョー・ストラマーが芝刈りのアルバイトをした公園でもある。
それから、ザ・フーのキース・ムーンが亡くなったアパートメントへ行ってみる。黒塗りの壁の、質素なアパートであることに、愕然とする。
カーナビーストリートへ行き、第2期のマーキークラブがあった場所へ。第2期のマーキークラブというのは、ローリング・ストーンズからヤードバーズなどに出演バンドが変わっていった頃のマーキーである。
ザ・キンクスのレイ・デイヴィスが入院していたセント・ポール病院と、「ウォータールー・サンセット」で有名なウォータールー橋を見る。この後、ソーホーでラーメンを食べる。
圧巻だったのは、ピンク・フロイドの『アニマルズ』のジャケット写真で有名なバッターシー発電所だ。ここは今では操業を停止し、朽ちかけているが、それがあたかもブリティッシュ・ロックの名で呼ばれる音楽を象徴しているかのように感じられた。
その巨大なモニュメントから、しばらく目をそらすことができなかった。
近くのバッターシー公園で、1978年にストラングラーズが野外コンサートを開いた場所を、足を棒にして探しまわったが、発見できなかった。そのかわり、クラッシュが
「ロンドン・コーリング」のビデオクリップで使った桟橋は見つかった。
Heddon.stは、デビッド・ボウイーが『ジギー・スターダスト』のジャケット写真を撮
影したストリートである。裏ジャケットの電話ボックスも見つかり、ぼくがこのボックスに入って写真を撮影していると、通りかかった近くのバーの男に「デビッド・ボウイーがそうやって写真をとったんだぞ。知ってるか?」と声をかけられた。
他にもいくつかの場所に足を運び、ディナーはKHYBERというインド料理の店へ行く。コブラというビールで酔っ払い、今、12時すぎにホテルに帰ってきたところだ。なにし
ろこの時期のロンドンは、4時すぎに夜が明け、9時すぎまで明るい。
もう、へとへとだ。明日は、ロイヤル・アルバート・ホールにストラングラーズのライヴを見に行く予定で、もうチケットも買ってある。
そうそう、それから、今日ソーホーで、スモール・フェイセズのモノクロのポスターを買った。ロンドンでも、若い連中はもう誰もロニー・レーンのことなんか知りはしない。明日、追悼の気持ちをこめて、ロンドンでいちばん目立つ場所にこのポスターを貼ってやろうと思っている。でも、どこが目立つかな?
じゃあ、みんな、おやすみ。
行ってきてほしい場所があったら、みここにリクエストを書いておいてね。
山川健一
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